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2008年 12月 19日
今回の海外研修旅行の第一の目的は、ポルトガル在住の現役建築家、アルヴァロ・シザの作品を見てこよう、ということです。
シザは、1933年生まれと言いますから、現在75歳。生まれ故郷に近い、ポルトガル第2の都市ポルトを拠点として、世界中で活躍しています。 「ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジエに影響を受けたモダニズム建築の継承者であり、直方体や有機的な曲面、彫りの深い小さな連続窓などの幾何学的な形態と、できるだけ少ない種類の材料を使ったきわめて簡潔なスタイルを有している」(「ウィキペディア」より) その造形がシンプルなこと、そしてアアルトなど先人の業績を取り込んでいることで、シザの仕事は「玄人好み」「詩的」などと評されているようです。 今回はまず、初期の作品を二つ紹介します。 1.ボア・ノアレストラン Boa Nova Tea House 今回の旅行では、ここで昼食の予定。隣には小さな教会もあり、逆方向には、かわいい灯台も望むことができます。(下の写真は五十嵐太郎氏のサイトより) 2.レサのスイミングプール Leca Swimming Pools 海で泳ぎたいけどキケン、じゃあ海を眺めながら泳げるプールを作っちゃえ、と、思いつくのがコロンブスの卵。リゾートホテルなど、今やこれが目玉ってところも多いのではないでしょうか。能登半島「ランプの宿」など、日本の露天風呂も、最近こういうつくりのとこばっかりですよね。 いろいろな意味で成熟した社会を生きている私たちは、びっくりするような独創的なアイディアと、何百年と変わらない伝統的な遺産と、その両極端に目を奪われがちです。 でも、日々の仕事の中で本当に価値があるのは、伝統や基礎、そして新しい技術やアイディアをも学んだ上で、それを目の前の状況(何を作るべきかと言う基本的な考え方)にいかに柔軟に合理的に生かしていくかという、「知恵」の積み重ねなのではないでしょうか。 それは、「インターナショナルスタイル」などといわれる、世界共通の建築が幅を利かせてきた現代、困難だけれど、とても価値のあることだと思います。 シザの仕事は、一つ一つが、その場所のもつ歴史・文化に対する「提案」です。本や建築写真だけでは伝わらない建築の「意味」が、その場に行って初めて実感できるはずです。 また、そういった仕事をいくつも見ることで、作家の個性などという小さな概念を超えた、建築や設計にたずさわる者の、あるべき姿勢のようなものまで学べるような気がしています。 個人的な意見ではありますが、その場その場の社会的な雰囲気に合わせて、「防災」のみを主張し、地域づくりや町並みに何の配慮もなく制定された建築基準法が、みすぼらしい戦後日本の町並みを作ってしまったような気がしています。 インテリアコーディネーターが、生活者の視点で街づくりについて発言することも、そろそろ許されていいのではないでしょうか。
by icctoyama
| 2008-12-19 11:58
| ポルトガル・スペイン
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